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ビヨンボルグ

吉田 豊
こんにちは!、金曜日担当の吉田です。

さて、世間は10連休の真っただ中だと思いますが、ロンドでは本日から
レギュラーレッスンが再開になります。

昨年までだと、この時期は昨日まで行っていました特別レッスン期間でしたが
レギュラーレッスンですので、お休みされる場合連絡が必要です。

お気を付け下さい。

さて、5月になり今月から全仏オープン、ウィンブルドンと連続してグランドスラム
大会があることから、かつて、全仏6回、ウィンブルドン5回優勝の実績がある
ビヨンボルグの本「ビヨンボルグ 我がテニス」を紹介したいと思います。

 レジェンド中のレジェンドです。
この本は、昭和55年、日刊スポーツ出版社から発行された少し古い本です。

以前から読みたいと思っていたのですが、半年ほど前にヤフオクで300円即決
で出ているのを発見し、速攻で落札しましたが、調べてもらえればわかりますが
300円はかなりお買い得です。(実は、今買うとするとすごく高い。)

ちょうどその頃、ボルグマッケンローの映画が公開されているタイミングで、
この本をゲットできたのはラッキーでした。

恐らく、40代以上の方は知っていると思いますが、少しだけビヨンボルグ
を紹介したいと思います。

この人は、26歳という若さで引退してしまったため、プレー期間は現在のトッププロ
と比べると短いのですが、レジェンドと言われる最大の理由は、前述したように
全仏とウィンブルドンの両方のタイトルを複数取った所にあります。

全仏とウィンブルドンはサーフェスがクレーと芝と対照的なために、優勝者が棲み分け
される傾向があります。

現在ですと、全仏はナダルが独占、ウィンブルドンはフェデラーが多数優勝しているように
、両方で複数回優勝するというのは大変困難で、長いテニスの歴史の中でボルグしか
いないのです。

この本は、自叙伝的な部分とテニスのレッスン的な部分をミックスしたような構成
になています。

まず驚くのがラケットのテンション、なんと80ポンド。

しかも、面の大きさが80平方インチということで、今の平均100平方インチだと
約95ポンドに相当する、今じゃあり得ないテンションで張っている事です。

そんな、テンションなので張っている時にラケットが壊れるのは日常茶飯事で、
切れた時に即座にガットを取り除かないと、変形してしまうため、練習の時に
切れるのは良いのですが、寝ている時に切れた音が聞こえたら、すぐ起きてガットを
取り除いていたそうです。

練習はラリーが中心で、試合がない日がは4時間。ボール出しの練習は全くやらず、
ラリーの後はポイント練習。

また、サーブは1時間から2時間かけて練習していた時期もあったそうで、トレーニングは
腕立て、腹筋などは全くやらず、ランニングに時間をかけていたようです。

さて、グランドスラムの話ですが、ウィンブルドンで優勝するのは、全仏よりもかなり
大変だったそうです。

1回戦、2回戦は芝生が立っていてイレギュラーが多く、ボールも滑って弾まないそうで
サーブ&ボレーを多用せざるを得ず、ストロークが得意なボルグにとっては、最初の
試合の方が苦労が多かったようです。

この事は、ナブラチロワの本にも書いてありましたね。

そして、伝説となった映画のモデル、1980年の決勝戦、細かい心理描写がとても
興味深かった。

はた目には、冷静で持て生まれた強靭な精神力と思っていましたが、実は私たちと同じく
弱い部分が多々あり、それを克服するのに四苦八苦している様子が伺えました。

本の後半は、ボルグのテニス理論ですが、今ではあたりまえとなっているウエスタングリップの
フォアハンドや両手打ちのバックハンドなど、当時としては異端児のように言われていた
ようですが、今では常識となっていて時代を先行していたのが分かります。

以上、掻い摘んで一部紹介しましたが、理論や練習方法、各トーナメントで得た賞金額
なと具体的に書いてあり、とても参考になり単純に面白かったです。

是非読んでほしいのですが、図書館などにはある可能性があります。

さて、これから全仏、ウィンブルドンの両方を多数優勝するプレーヤーが出てくるか
私たちは、期待をして待ちましょう。