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ジムレイヤーの親とコーチのためのテニス

吉田 豊
こんにちは!、金曜日担当の吉田です。

今シーズンの、試合は全て終了しオフシーズンに入りました。

そこで、今年読んだ本で非常にためになった本を,この間に多数紹介
していこうと思っています。

今週は、有名のスポーツ心理学者、ジムレイヤーの本
「親とコーチのためのジュニアテニス」を紹介したいと思います。



この本は、1991年にブリタニカから発行された本です。

タイトルに、「親とコーチのための」となっているので、読んでみたのですが
実際には、親のための本のように感じました。

対象の子供は、初心者の親から試合にたくさん出る子の親まで、そのレベルに
対する対処と親とコーチに求める事について書かれています。

恐らく日本の場合は、初心者の親がほとんどだと思います。

子供が、これからテニスを始めようとする時は、とにかくテニスが楽しいと
いう事を思ってもらようコーチの依頼する事。

これは、私も同意見です。

特に、子どもが5,6,7歳と低年齢の場合は、直接テニスをやらせず、ラケットと
ボールを使ったコーディネーションをたくさんやるのが良いとされています。

それに対して、その子共の親は「テニスを教えてないじゃないか、テニスを
教えろ」みたいな事を言ってはいけない、という指示があります。

これは、アメリカのスクールで、そう発言される親が多いとありましたが、日本でも
気の早い親御さんは同じことを言うケースが若干ですがありますね。

そして、子どもがもっとテニスが上手くなりたい、あるいは試合をしてみたい
となると、コーチを変えてテニスが上達するドリル、またはゲーム練習取り組む
とされています。

つまり、コーチを変えないとしたら、早く言えばレッスンの内容を変えるという
事になるでしょう。

試合に勝ちたいと、子どもが強く思うようになれば、またコーチを変えて
試合に勝つためのトレーニングを行う。

この辺からは、専門のコーチに任せる、育成クラスに変える、などになると
思います。

この本は、最終的に試合に出るようになったら、気をつけなければなたない点が
多数に増え、その際の注意点の記述が圧倒的に多かったです。

一例を言えば

プレッシャーを取り除いて、リラックスできるようにする。

試合の勝ち負けに関わらず、態度は一貫している。

試合の勝ち負けより、努力した過程が大切で、テニスを辞めたとしても、将来
役に立つと思っている。

コーチの役割には割り込まない。

等々いろいろありましたが、この本が書かれた背景には当時アメリカでは、子どもに
対して問題のある接し方をする親が蔓延していた、というのがあるようです。

試合に勝つことを強要する。

負けると罰を与える。

親が、子どもが勝てない事を理解しない。

レッスンや試合に多額のお金を使い、プロになる為の投資と考え、子どもが
テニスを辞めたがっても、辞めさせない。(投資したお金が無駄になる)

勝つことが、その子の価値になるように思わせる。

結果として試合に勝てば、何をしても許される。

など、当時男子も女子もトッププロをたくさん擁していたアメリカならではの
事だったかもしれませんが、最近の日本でも錦織選手の出現以来ジュニアテニスが
活性化してきたと思います。

そうなると、ジュニアの親の問題が当時のアメリカと同じように起こってくる
かもしれません。

それは、ある意味では目指すところです。

この本は、日本の近未来のための物かもしれません。