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勝つための新テニス戦術書

吉田 豊
こんにちは!、金曜日担当の吉田です。

今週初めに発表されたATPランキングで、ラファエルナダルがジュコビッチ
を抜いて1位に返り咲いたそうです。

これは、ナダルが最初にランキング1位になった2008年から数えて8回目
、つまりビック4の面々で入れ替わり立ち替わり1位を競ってきた訳ですが
8回トップになったということは、それだけ長い間トップレベルにいないと
実現できない凄い記録だと思います。
(ちなみに、フェデラーは6回、ジュコビッチ4回だそうです。)

でも、この8回と言うのは歴代で4位の記録だそうで、1位は14回トップに
返り咲いたという凄い記録があるそうです。

その選手とはあのレジェンドプレーヤー、ジョンマッケンロー。



今日は、そのマッケンローの「勝つために新テニス戦術書」を紹介したいと
思います。

この本は、昭和60年に講談社から発行された少し古い本ですが、現在でも
参考になる、素晴らしい本だと思います。

古い本はテニスの技術についての物は、進化いていくテニススキルに対応
出来ずに時代遅れと感じる事がありますが、先日の「新インナーゲーム」
のようなメンタルに関するものや、こう言った戦術本は、古くならないと
思います。

一番は、マッケンロー自身の言葉で、多くがメンタルと戦術について語られて
いる事。

「世の中には、うまい奴と強い奴がいる。両者は似ているようで全く違うのだ。」

「勝ちたければ上手くなろう、ではなく強くなろうと思え。」

「グランドスラムに本戦の出る128人と予選にでる128人は、上手い下手で見ると
すっかり入れ替わってしまう。」

と言う言葉から始まり、勝つための戦術が延々と語られているのです。

一応、ストロークに打ち方みたいな項はあるのですが、ほんの数ページのみで終了。

他は全てテニスの戦術的な事で、メンタル的な事が述べられていて「上手くなる」
ためてなく「試合に勝つため」の本だという事が色濃く出されています。

具体的にいうと、目標の設定の仕方(ウィンブルドンで優勝しようダメ、市民大会
で2回勝つなど身近なものにするように)。

相手を見て作戦を変える。そのために日頃の練習は何でも出来るようにしておく。
(自分のスタイルを決めてそれに固執してはいけない。)

冷静に試合を見て、プレイしている自分と解説者の自分を頭の中に入れておく。

ツーボールサバイバルと言って、苦しい場面では2球だけは続けて返す。
その後は、流れに従って活路を開く。

ピンチの場面では、積極的に動け。

などなどほんの一部ですが、テニス技術以外のアドバイスでちりばめられて
いました。

ただ、マッケンローが一貫していっていたのは
「勝ちたいと思うなら勝ちたいと思え、思うだけなら誰でもできる。
勝ちたいという心のメモリを最大にしろ」

この本ではありませんが、以前紹介したパーパーコリンズジャパンの
「ボルグとマッケンローテニスで世界を動かした男たち」
のなかで、ウィンブルドンにデビューした年に、友人のピーターフレミングが
「次の相手は、有名なプレイヤーだ、勝てそうか?」
と聞いたところ
「相手の事はよく知っている。負けるはずがない」
と言ったそうです。

普通、メディアによく出てくような相手だと、「全力を尽くします」とか
「胸を借りるつもりで」と言いたくなりますが、相手の事はよく知っている、
だから負けるはずがない、というのはなかなか言えませんね。

そんなレジェンド、マッケンローの本ですがアマゾンやヤフオクならゲット
できるハズです。

読む価値、多大にあります!!。

ただし値段は覚悟してください!。