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ローランギャロスとアンツーカー

吉田 豊
こんにちは!、金曜日担当の吉田です。

先週の木曜日(16日)、アンディマレーが、チャールズ皇太子から
ナイトの称号を受勲したそうです。

実は、マレーはウィンブルドンで2度目の優勝を果たした2年前、エリザベス
女王より、称号を授与される事が決まっていたのですが、マレーが過密な
スケジュールのため、このタイミングになったそうです。

非公式ながら、今年のウィンブルドン後に引退を表明しているマレーですが
まだまだ、その雄姿はみたい。

それにしても、今回受勲したことによりイギリス国内では、名前にサーを
付けて呼ばれる事が多くなるマレー。

ウィンブルドンでは「アドバンテージサーマレー」見たいな呼ばれ方を
するのでしょうか?。

さて、来週から全仏オープンが始まります。

 ご存知レッドクレーです。

全仏と言えば、アンツーカーコートです。

アンツーカーとは、人口の土と言う意味で、最近使われることがありますが、
英語に直訳すると、インオールケース、「どんな場合でも」という意味らしいです。

誕生のきっかけは、今から100年以上前にウィンブルドンで2度の準優勝の経験が
あるジョージヒルヤードが、陸軍司令官として南アフリカに赴任していた際に、
当時南アフリカやオーストラリアから始まった蟻塚のコートでテニスをしたのが
きっかけだったそうです。

蟻塚のコートとは、白アリが巣をつくる時に、地中を掘って出た大量の土と砂が
円柱形になったものを、崩して平にしてコートにしたもので、白アリの唾液に
よって繋ぎ合わされた塚を崩して適当な粒子に潰して作ったコートは、水はけも
バウンドも、最高の物でした。

水はけがよいので「どんな場合でも」という事なんですね。

そのジョージヒルヤードが帰国して時に、出入りのレンガ業者にこの話を持ち掛け
ヒルヤードの家にアンツーカーコートを作ったのが始まりだそうです。

1900年より前の話で、非常に水はけがよく、テニスコート以外でも陸上のトラック
や野球のマウンドにも使われています。

そういえば、陸上のトラックは全仏のコートと同じ色ですね。

ちなみにローランギャロスとは、19世紀後半のフランスのパイロットで、初めて
地中海を横断したことにより、その功績を称えローランギャロスと名付けたそうです。

今では、20数面あるテニスコート全体を意味し、そのセンターコートをフィリップ
シャトリエと言います。

何だか全部人の名前で、吉田豊の鎌田良コートみたいなもので、微妙に違和感が
ありますね。(鎌田コーチのブログに私が載っていたのでそのお返し)

実は、このローランギャロスのアンツーカー、20代の頃わざわざパリまで行き
センターコートに忍び込んで、甲子園の球児のようにアンツーカー
を少し持ってきたことを思い出しました。

 行って来ました.

忍び込んで、と言うのは若干語弊がありますが、正確には公開されていて、という
よりも、使ってないからご自由にどうぞ、と言う感じで(当時のフランスはどこでも
こんな感じでした)、その際コートに入り、もらってきたと言うのが本当のところ
です。

今でも、大切に保管しています。

さて、今年から新しくなった開閉式のセンターコート。どんな熱戦が見らるか
今から楽しみです。